巻乗りや半巻乗りは図形運動での基本的な動きです。
これらの運動をスムーズに行えるように練習することで、正しい扶助を使った正しい乗馬ができるようになります。
馬とのコミュニケーションを保ちながら行うように心がけましょう。
1.巻乗りの方法
蹄跡の内側に直径6~8メートルの輪を描くように乗るのが巻乗りです。
一周したらまた蹄跡に戻ります。
軽速歩をしている時に巻乗りの号令がかかったら、巻乗りの運動中は速歩にし、蹄跡に戻ったらすぐに軽速歩に戻します。
常歩などをしている時に「巻乗り、蹄跡より駈歩進め」という号令があれば、蹄跡に戻ると同時に駈歩を始め、他にも付属的な号令のある時にはそれに従います。
よい巻乗りであるかどうかは、円がきれいに描けているかどうかで簡単に判断できます。
少しでも馬が嫌がって反抗したり、扶助が不明確だったりするといびつな円になってしまうのです。
また馬の反抗は馬の顔の向きにも表れ、円の弧に沿わないように顔を外に向けているのはよくありません。
ときどき勘違いをして、乗馬をしている時の馬の反抗は馬が悪い、と思っている人がいます。
確かに馬が悪い場合もありますが、八割以上は馬を反抗させるような乗り方をしている人が悪いと言えるでしょう。
しかも乗馬クラブで使われる馬は、きちんと調教を受け、素人が乗っても安全だと太鼓判が押されている馬たちなので、それらの馬が反抗するのならそれだけの理由があります。
円がきれいに描けないようなら、自分の乗り方を見直し扶助が正しく出せているかをチェックしましょう。
蹄跡にいる時に馬を集中させていない状態から巻乗りを始めると、馬にとっては急に方向を変えるように強いられた形になるので、驚いてしまうかもしれません。
また手綱だけで巻乗りをしようとしていると、手綱だけが引っ張られ、馬は何をするのか理解できずに苛立ちます。
2.半巻乗りの方法
半巻乗りは巻乗りのときと同じように蹄跡か円を描くように内に入りますが、すぐにUターンして滴の形を描きながら滑らかに逆の手前で蹄跡に戻ります。
蹄跡からのふくらみは3メートルほどになるでしょう。
半巻乗りと巻乗りとの最大の違いは図形の形と共に、手前が変わることです。
常歩では手前が変わると言っても回り方が変わるだけで、乗っていても何の変化も感じないかもしれません。
でも人によっては手前が変わるだけで、上手く乗れなくなる場合があります。
これは左右の扶助にばらつきがあって、上手く扶助が出せる側と出せない側があるからです。
左右どちらとも思い通りの扶助が出せれるように頑張りましょう。
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