私たちのフィギュアスケートは20世紀初頭から現代に至るまでどのような進化を遂げてきたのでしょうか。
採点方式も変わり選手たちのプログラム内容も 現代と昔ではかなり違うものです。過去の歴代選手を歴史と共に振り返ってみましょう。
1.20世紀初頭
オリンピックや世界フィギュアスケート選手権の競技場が開催されるに至り、公共の人口スケートリンクが各地に建設され、フィギュアスケートの競技者数の増加にもつながりました 。フィギュアスケートは瞬く間に進化を遂げていったのです。
20世紀初頭に最も活躍した選手で歴史的に有名なのは、スウェーデンのウルリッヒ・サルコウとイギリスのマッジ・サイアーズです。
サルコウは世界フィギュアスケート選手権で10度の優勝とヨーロッパフィギュアスケート選手権で9度の優勝を誇り、1908年ロンドンオリンピックの初代チャンピオンとなりました。 また ジャンプの要素の一つであるサルコウジャンプの創始者としても名高く、引退後は国際スケート連盟の会長を務めました。
サイアーズは1902年にロンドンで開催された世界フィギュア選手権に大会規定の不備をついて男子シングルに出場し、サルコウに次ぐ2位となりました。1908年ロンドンオリンピックでは初代女王に輝きました。
第一次世界大戦前後、男子シングルではオリンピック3連覇を果たしたスウェーデンのギリス・グラフストロームとオリンピック2連覇を果たしたオーストラリアのカール・シェーファーが2回転ジャンプを武器に活躍しました。
女子シングルでは世界フィギュアスケート選手権10連覇とオリンピック3連覇を果たした ノルウェーのソニア・ヘニーが最も名高いです。当時の女子シングル選手の衣装は伝統的にロングスカートでしたがヘニーはミニスカートの衣装とし、技術面ではルッツジャンプを積極的に取り入れました。
第二次世界大戦戦後、それまでフィギュアスケート界をリードしてきたヨーロッパに変わり北米とソビエト連邦から優秀な選手が多数輩出されました。
男女シングル選手に限ってもヘイス・アラン・ジェンキンス、デヴィッド・ジェンキンス、バーバラ・アン・スコット、テンリー・オルブライト、キャロル・ヘイスのオリンピックチャンピオンが北米から誕生しました。その中でもアメリカのディック・バトンは3回転ジャンプを武器に圧倒的な強さを誇りました。
2.ペアやアイスダンス
ペアではカナダのバーバラ・ワグナーとロバート・ポールが技術を開花し、ソビエト連邦のリュドミラ・ベルソワとオレグ・プロトポポフ、イリーナ・ロドニナとアレクサンドル・ザイツェフ によってペアの技術と調和が大きく発展しました。
アイスダンスにおいてはソビエトのリュドミラ・パホモアとアレクサンドル・ゴルシコフが振り付けの可能性を見出し、イギリスのジェーン・トービル と クリストファー・ディーンは芸術性の高い 華麗な演技で活躍しました。
この頃のフィギュアスケートはスケート人口の増加と共に、シングル、ペア、アイスダンスにおいて数々の素晴らしい選手が誕生し、私たちに多くの感動と夢を与えてくれました。
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