サックスと聞くと、何をイメージされるでしょうか。
JAZZが好きな人や、プレイヤーの名前なんかは知らないけど「なんだかかっこいい!」と思われる人が多いと思います。学生の頃に吹奏楽部でサックスを知った人もいるでしょう。
今回は、そんなサックスの魅力についていくつかご紹介します。
1.サックスは新しい楽器
サックス(もしくはサクソフォン、サキソフォンとも言います)は、他の楽器に比べて比較的新しくできた楽器で、アドルフ・サックス(1814~1894)というベルギーの楽器制作家が、木管楽器と金管楽器のいい所を併せ持った楽器を作りたいと、1840年代に考案されたものです。
同じ木管楽器でもフルートは16世紀ごろ、クラリネットは18世紀ごろに作られたということを考えると、さらに100年経った19世紀に発明されたサックスがとても新しい楽器だということがわかります。
オーケストラにサックスという楽器がほとんど使用されていないのも、オーケストラの著名な作曲家達が生きていた時代にサックスが存在していなかったからで、19世紀後半以降に活躍した作曲家の中には、ラヴェルやムソルグスキー、ドビュッシーなどオーケストラの中にサックスを使った曲を作曲した人もいます。
おりしもサックスができた1940年代に、アメリカではモダンジャズが流行しはじめ、チャーリー・パーカーやジョン・コルトレーンといった現在でも有名なサックス奏者が現れ、その艷やかなで情熱的な音色は人々を魅了し、以降のジャズ界になくてはならない楽器となりました。
2.サックスは木管楽器
サックスの見た目はトランペットやトロンボーンのように金属部分が多数を占めているので「金管楽器」と思われがちですが、楽器の分類は発音方法で決定されるので「木管楽器」となります。
楽器本体は真ちゅうを使うことで金管楽器のようなパワフルな音を、唄口にクラリネットと同じくリードと呼ばれるケーン(葦の一種)を使うことで木管楽器のつややかで繊細な音色を出すことが可能です。
また、音の高さを変えるときもトランペットのように3つのピストンで倍音を変えたり、トロンボーンのようにスライドを動かして変えるのではなく、同じ木管楽器のフルートやクラリネットのようにキーと呼ばれる管の穴を塞ぐものを開けたり閉めたりすることで調節します。
「人の声に一番近い楽器」と言われるサックスの音色のヒミツは、こういう楽器の成り立ちにあるのです。
3.サックスは初心者向け
上記に書いたとおり、サックスは新しい楽器なので楽器の作りが昔からある楽器に比べてとても機能的にできています。
金管楽器のように唇を震わせて音を出すのではなく、唄口につけたリードを震わせて音を出すので、比較的初心者でも簡単に音を鳴らすことができます。
また、金管楽器のように唇だけで倍音を鳴らす必要がなく、音の高さは指で変えるために、ド~シの運指を覚えてしまえばたいていなんとかなるのです。
楽器なんてやったことない、という初心者の人でも比較的簡単に音を鳴らせて、かんたんな曲ならすぐ吹けるところから、大人になってからその魅力にはまり「サックスにあこがれて」とはじめる方もとても多いです。
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