メジャースケールの説明で、スケールの練習が大事なことについて触れました。
今度は少し難しくなるかも知れませんが、なるべく初心者のみなさんでもわかるようにマイナースケールについて説明していきます。
1.マイナースケールとは
クラシックでは「イ短調」や「ニ短調」、ジャズやポップスでは「Dマイナー」「Aマイナー」などと聞いたことがあると思います。
この「短調」「マイナー」にあたる音階のことをマイナースケールと言い、マイナースケールには三種類あります。
特徴としては「暗い音階」で、悲しそうな曲は短調で構成されています。
この短調(マイナー)も、長調(メジャー)と同じく一定のルールによって構成されていますが、三種類あるため少し慣れが必要です。
1.ナチュラル・マイナースケール(自然短音階)
ラ シ ド レ ミ ファ ソ ラ
全音 半音 全音 全音 半音 全音 全音
長調とは「全音」「半音」の構成が変わります。
長調が「全全半全全全半」だったのに対し、短調は「全半全全半全全」です。
スタートがドからではなくラからになっているのは、♯や♭をつけなくても紹介できる調として記載しているためです。(ドから始めてももちろん短調になりますが、♭がつきます)
もしピアノやキーボード、サックスで演奏できるようであれば実際に音を出してみて頂きたいのですが、実はこのナチュラル・マイナースケールはスタートが「ラ」からになっているので暗くこそ聴こえますが、ドからあとはメジャーとまったく構成音が同じになっており、後半は少し明るく聴こえてしまうことでしょう。
また、そのせいで和音(コード)を鳴らしたときにも後半はメジャーの和音と変わらないため暗くなりません。
そこで考えられたのが次のマイナースケールです。
2.ハーモニック・マイナースケール(和声的短音階)
ラ シ ド レ ミ ファ ソ♯ ラ
全音 半音 全音 全音 半音 全音+半音 半音
さっきのナチュラル・マイナースケールとは違い、ソに♯がつきました。
ここでソ♯からラを半音にすることによって、導音といって「ドに向かいたい性質」を利用しています。
また、和音で演奏した際にもソが♯になることで暗いイメージになりました。
ところが、今度は「全音より広く間があく」というところでメロディとして繋げにくいという問題が出たようで、次のマイナーが生まれました。
3.メロディック・マイナースケール(旋律的短音階)
ラ シ ド レ ミ ファ♯ ソ♯ ラ
全音 半音 全音 全音 全音 全音 半音
ファにも♯をつけることによって、導音(ソ♯)で和音の暗さも出せ、なおかつフレーズとしても全音と半音のみで構成されてスムーズに繋がるようになりました。
※クラシックにおいては上行形は上記のとおり演奏しますが、下行形は♯をすべてなくしてナチュラル・マイナースケールを使用することになっています。
2.サックスのマイナースケール
メジャースケールでも書いたとおり、音域が狭い分できるだけすべての音を使用してスケール練習をしましょう。
初心者のうちはまずは1オクターブからでかまいませんが、慣れてきたら最低音から最高音までを使って練習するようにしてください。
また、アルトサックス、バリトンサックスはドを吹けばE♭の音が鳴り、ソプラノサックス、テナーサックスはB♭の音が鳴るため、実音(ピアノのドレミファソラシド)と記譜で調号が違いますので、こちらもあわせて覚えていきましょう。
そして、マイナーは最終的に12パターン×3種類=36パターンもあるので初心者の方には少し大変かもしれませんが、すべての調性のマイナースケールが吹きこなせるよう頑張ってください。
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