テコンドーにおける怪我の予防方法

テコンドーは組手試合に代表されるように相手に攻撃を当て合う打撃系格闘技です。実際に動き回る相手にパンチや蹴りを当て合うため怪我はどうしても出てしまう場合があります。

そこでテコンドーの組手練習において起きやすい怪我と予防のために留意してほしいことをいくつか紹介させていただきます。

1. テコンドーの競技特性による怪我

テコンドーは他の打撃系格闘技に比べるとかなり安全な部類に入ります。

なぜなら試合だけではなく普段の組手練習でも胴や腕、頭部を守るためにプロテクターを装着することが義務付けられているからです。

しかしながら、お互いに打撃を当て合う特性上、どうしても打撲や骨折、流血といった怪我は付き物です。0に近づけることは大切ですが完璧に0にするには極めて難しいでしょう。

1. 足を止めないことが最優先事項

テコンドーの怪我で一番多いのが、激しい蹴り合いによる打撲です。特に初心者で体力や技術がないうちはただ足を止めてノーガードで蹴り合ういわゆる「ガチンコ勝負」になりがちです。場合によっては有効かもしれませんが、体にとっては確実に悪影響を及ぼしますし、何よりも危険です。

そこで攻撃技術よりも意識していただきたいのが防御。それもブロッキングやガードなどで攻撃を受け止めるのではなく、足を止めないステップを意識していただきたいです。

なぜなら腕によるガードはどう頑張っても重心が固定する瞬間、足を止める瞬間が存在します。

板を割る時をイメージしてください。板は動かないように固定されていますよね。あれは正確に目標を捉えることで衝撃を全てダイレクトに伝達するためです。重心を固定するガードやブロッキングは一瞬なりとも「板のような状態になる」ため100の衝撃を100全て受けてしまうことになります。これでは体格差のある相手の場合、最悪骨折もあり得ます。

足を止めずに動き続けていれば、100の攻撃力に対してこちらはその攻撃を回避するので受ける衝撃やダメージは0です。仮に相手のリーチやスピードなどで腕などに当たってしまっても動きながら受けるので急所を外すことができますし、当たるダメージも100の威力に対して30パーセントは減らすことができます。

普段の組手練習では攻撃よりも防御、ステップに重きを置いて足を止めないことを意識しましょう。




そのためには、走り込みやダッシュ、ラダートレーニング、ステップを高回数こなすことで動き続けるためのスタミナと敏捷性を養う必要があります。同じ攻撃を受けるにしても足を止めずに動き続けるとダメージを大きく減らせますが、棒立ちの状態ではすべての衝撃をダイレクトにもらいます。

足を止めずに動き続けることでテコンドーにおける怪我を大幅に抑えることが可能です。

2. 顔面への攻撃を意識する

上記では主に足を止めないステップを重視する練習と意識で怪我を抑えるポイントについて紹介しました。この方法は攻撃全般、特に中段攻撃に対して大きな効果があります。

テコンドーでは打点が高いほど高得点になりますので、上段、つまり頭部や顔面への攻撃に重きを置かれています。

顔面は脳があるため急所です。もらえば最悪命にかかわります。

では上段攻撃をもらわずに怪我を抑えるにはどうすればいいでしょうか。

1.相手から目をそらさない

初心者の方が顔面への攻撃をもらってしまう主な理由として、動体視力ができておらず上級者の蹴りが速くて見えないというのも確かに要因としてあります。

ですが大半の原因はそれ以外にも「顔面への攻撃が怖くて目線を反らしたり目をつぶってしまう」ところにある傾向が多いようです。

見えないというよりも本能で「攻撃を見ていない」状態になってしまっているのです。当然、見ていない攻撃に対して対処することはまず無理でしょう。顎やこめかみに攻撃をもらえば脳震盪は免れませんし、最悪命にかかわります。

そこで、かなり荒療治ですが効果的な解決方法があります。

それは「目をつぶったら終わり」だと考えて相手をとにかく見続けることです。ボクサーは相手のパンチをもらいながらでも軌道を見続けていますよね。あれくらいのつもりでやりましょう。

「怖くても目をそらさない」と覚悟を決めてスパーリングをこなしていると徐々に相手の攻撃を見る目が育ってきます。怖くてもよけられるようになってくるのです。

この感覚がつかめたら上段への攻撃に対する防御は完璧です。必然的に上段へもらう場面も減っていきます。

以上がテコンドーにおける怪我の対策です。普段の組手練習でいかに相手の攻撃を見続けることと足を止めないことができるかがカギを握っているといっても過言ではありません。ご清聴ありがとうございました。




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この記事を書いた人

当サイトの管理人。元々無趣味な人間だったが、様々な趣味を試すうちに、今では超多趣味人間に。同じように趣味を探している人の役に立ちたく、本サイトを運営しています。

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