攻撃だけなら誰でも出来る、防御が出来てこそボクシング、とはよく言われます。相手からの攻撃を防ぐ最も基本的な技術として、ブロッキングというものがあります。
相手のパンチから自分を守るための技術ですので、しっかり身に付けましょう。
1.ファイティングポーズから体を絞る
ブロッキングに特別な構えがあるかといえば、特にそうではありません。基本のファイティングポーズから、肘を内側に絞るだけ。それだけです。
後は、少し拳を力強くにぎるといいでしょう。
このブロッキングの姿勢を取る時は、相手のパンチが当たる距離になってからです。相手のパンチか当たらないであろう距離にいてブロッキングの姿勢を取っても疲れるだけです。
ボクシングの練習を始めて見ると分かりますが、ガードのために腕をずっと上げているのは非常に疲れます。ボクシングのグローブが本当に重く感じます。
ですので、明らかに不要な時は、腕を一瞬だけだらっと下げてリラックスをするボクサーも多くいますね。
2.ジャブは当たるものと認識する
ブロッキングの姿勢では、拳はこめかみより少し前の位置、もしくは完全に顎を隠すように拳の位置をもってくる選手が多いです。マイクタイソンはその代表例ですね、ピーカブースタイルといいます。
拳がここにあると急所の防御も出来ますし、攻撃も打ちやすいです。
ブロッキングの姿勢においては、上述の通り相手のパンチが届く距離にあります。相手が最も多く打ってくるのがジャブでしょう。このジャブですが、当たる事前提でいるボクサーがほとんどです。
ジャブの役割というのは、距離を測ったり相手の前進を防ぐためにあります。ですので、ジャブにそこまでの威力はありません。しかも両拳で顔を守っているので、そこまでの衝撃はないはずです。
相手のジャブは、自身のおでこに「当てさせる」という感覚でいるといいでしょう。もちろんジャブを防ぐパーリングやヘッドスリップという技術もありますが、ジャブ対策の一つとしておでこに当てさせてあげるという感覚も覚えておいてください。
おでこは顔で最も固い場所です。当たっても、そんなに痛くはありません。
3.相手の右ストレートは左拳もしくは前腕部でガード
右ストレートは威力も高いので、おでこで受けても効いてしまいます。相手のストレートを丁度おでこで受けてしまって倒れるシーンはボクシングではよく見受けられます。
出来れば頭一つ分動かして避けるのが理想ですが、そうもいかない場合は左腕でブロックします。やりかたは、左肘を更に内側にいれること。
そうすることで、自分の視界は狭くなりますが、相手の自分の顔面への攻撃は防げます。相手のストレートをブロックしたら、すぐもとのこめかみあたりに戻しましょう。
視界が狭いので、フックやボディなど別角度のパンチへの反応が鈍ってしまいます。
いきなりスパーリング等でこれをやれと言われても無理なので、最初は相手に軽くストレートを打ってもらって、上記のようにブロックする練習を繰り返しましょう。
4.ボディとフックは肘と拳でブロッキング
相手が左ボディを打ってきた場合、ブロッキングの姿勢から、右足に体重をかけ少ししゃがむだけで、肘でボディをガード出来ます。
そして左ボディの後よく来るのが左フック。自分のこめかみを狙ってきます。
ですので、肘でガードした後は拳に意識を持って行きましょう。ボディを肘でブロック出来れば拳の位置は必然的にこめかみに近い位置にあるはずです。
これも最初はぎこちない動きになってしまうと思うので、対人で練習しましょう。
右ボディ、右フックの場合も同様です。ただ、相手が右構えの場合、右ボディからのフックというコンビネーションはあまりないので、そこまで意識しなくても大丈夫です。
5.シャドーボクシングから意識する
上記のようなブロッキングは、シャドーボクシングでも練習できます。よくプロの選手が、シャドーボクシングの際ガードをしているような動作がありますが、あれは相手のパンチが飛んでくることをイメージし、ブロッキングの連取をしているのです。
パンチを打つだけでなく、ブロッキングもシャドーに取り入れる事で、例えばスパーリングしたときに無意識に出来るようになっていきます。
ガードはボクシングの基本、そのガードの中でもブロッキングは最も重要です。ガードがあってこその攻撃なので、是非身に着けておきたい技術です。
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